西日本模型流大型マンション模型制作方法
「10畳を超える敷地物件をどうやって運んで、組み立てるの?」
「高さ4m超えるタワーを継ぎ目なく積み上る方法は?」
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そんな質問をされると、模型屋冥利に尽きます。
ここでは、そのような大型物件制作技術をご紹介させていただきます。左は6mx4m敷地です。
中央四角穴に建物が建ちます。
当然外からでは手が届きません。
そこで中央より地盤・建物を取り付けながら、外側に逃げて行く方法を考えました。
現場に運び込んで地盤を組み立てたところです。
木の生地上に道路等をはめ込んでいきます。
ジグゾーパズルのようですね。 |
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中央に近い建物より順に施工します。
大きな四角穴は人が下から潜れるようにしました。
建物周りのフェンス等はここから顔を出して取り付けていきます。
施工順は、会社で何度もリハーサルしました。
いきなりでは絶対に現場をやり遂げることはできません。
現場施工シナリオも書きました。 |
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中央超高層を施工しました。
取付ながら今度は人が逃げて行かなくてはいけません。
足の踏み場がなく戻れなくなります。
最後は手前駐車場棟の下から外に出ます。
施工後メンテナンスも地盤の彼方此方が外れますので、そこから職人が顔を出して、対応できます。
動物園のミーアーキャットを観察していて、閃いた施工法です。 |
タワー型制作例
4m近い超高層タワーは、アクリルのみで制作すると強度不足です。
現場施工精度を上げるため、弊社オリジナル制作方法を開発しました。
<西日本模型オリジナル制作方法>
先ず柱・梁をABS樹脂を材料にNC加工します。
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それを芯材として壁を施工します。
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長年培ったNC加工技術で、壁板を接着することなく、落とし込み、
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ねじ止めで固定できる形状にそれらを加工します。
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この方法により急な設計変更などにも柔軟に対応できるようになりました。
弊社は構造図を観ることから、模型制作を始めます。
左は500戸46階クラス1棟分の柱・梁材です。
約1000点ほどの部品点数になりました。 |
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46階を7分割して組み立てます。
奥が一層分。
手前が3層積み上げた状態です。
柱端部に5㎜棒樹脂製ピンを埋めており、全柱がピンで繋がるようになっています。
加工精度は+0.05㎜に抑えます。 |
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現場施工風景です。下から1段ずつ積み上げていきます。
ここはまだ照明がつきませんでした。
いろいろな条件下でも柔軟に対応しなくてはなりません。
作業灯だけの暗いなかで、威力を発揮するのが加工精度です。
すべての柱をピン継にしているので、差し込んでいくだけでずれは一切ありません。
スピーディに積み上げ作業が進んでいきます。
搬入から2時間ほどで組立完了です。 |
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現地モデルで最高な状態に仕上がること。
これが我々の使命です。
工場で完璧でも全く無意味です。
あらゆる展示環境を想定し対応すること。
このことを胸に刻んで、日々努力を重ねていきます。 |